ここ半年ほど愛用していたイヤホン「JVC HA-FX3X-B」が断線でお亡くなりになった。
コンプライのイヤーチップと組み合わせて良い感じに聴けていたのに、混雑した電車内で引っ掛けてしまってからというもの、どんどん接触が悪くなり二日後くらいには、うんともすんとも言わなくなってしまった。
この JVC のイヤホンは、見た目、音、コスパ、コードの絡みにくさなどけっこう気に入っていたので、リピート購入すべきかかなり迷った。
なぜ AirPods にしようと思ったか
でも、結局 AirPods を購入した。
前のイヤホンが5,6個買えそうな値段には、かなり躊躇したけど、
- 断線しないワイヤレスがよかった
- 最近の iPhone は充電しながら有線イヤホンを使えないのが嫌だった
- iPhone や MacBook Pro などとのペアリングが楽そうだった
- Apple Watch と組み合わせてランニングのときに良さそうな気がした
- どうせ買うなら使ったことないやつを試したかった
最終的には、この辺が決め手になった。
使ってみての感想
現段階での正直な感想を言うと、買わなくても良かったんじゃないかと思っている。
「買わなきゃよかった!」ではなく「別にこれじゃなくてもよかったな」って感じ。前のイヤホンを買って、浮いたお金でレコード2,3枚買って焼肉でも食べに行った方が少しいい人生になっていた気がする。
ただ、自分に合わないところもあれば、満足しているところもあった。
せっかくなので、1ヶ月ほど使ってみたこのタイミングでその辺りを振り返ってみたい。
悪かったところ
買う前、使う前から覚悟していたものもあれば、使ってみて初めて分かったことも。
価格が高い
Apple store では、¥18,144 もする。イヤホンに出す金額としては、なかなかのもの。
Beck の Midnite Vultures がアナログで1枚買えちゃうくらいの値段。
遮音性が低い
カナル型じゃないから仕方ないけど、外部の音はガンガンに聞こえてくる。電車内とかで音楽に集中するのはまず無理だ。
ただ、これは裏を返せば装着中も周りの音がそれなりに聞こえる、というメリットだとも言える。
たとえば、職場で付けていても周りの呼びかけに反応できるので、気兼ねなく音楽を聴きながら仕事ができたり。
「いや、俺は集中するために外部の音を完全シャットダウンしたいんだよ!」という人には全然向いてない。
そういう人は、カナル型かノイズキャンセリング付きのイヤホンを使うべき。
すぐとれる
これが正直、AirPods のいちばん嫌なところ。
装着感としては、耳にはめるというより、耳の淵に引っ掛ける、というのが近い。
なので、ランニングなど上下動を伴う動きや、下からの接触に非常に弱い。
例えば、ダウンジャケットの襟が当たったり、落としものを拾おうとかがんだりするだけで、耳から外れて転がって行く。そして、少し悲しい気持ちになる。
おそらく耳の形状によるんだろうけど、僕は左耳の穴が少し大きいらしく、特にそっちが外れやすい。
あと、耳の中に直接入れるものなので、地面に落ちると衛生的にも良くない。
ランニングするときはニット帽を被って上から押さえることで、思わぬ離脱を予防してるけど、暑くなってきたらどうしようかと悩んでいる。
あと、ベッドで横になりながら聴くにも不便。少しでも顔を左右に傾けた瞬間、耳から外れる。
なくすんじゃないかという不安がつきまとう
完全ワイヤレスはメリットも大きいけど、やはりデメリットもそれなりにある。
最大のデメリットは、落としたときに失くしちゃうんじゃないだろうかと常に一定の不安がつきまとうところ。
左右が完全に独立しているので、落とす確率、落としたときに紛失する確率ともに一般的なイヤホンよりかなり高いはずだ。
AirPodsを雪道で落としたら? なくさないためには? – ITmedia NEWS
これは少し極端な例かも知れないが、他にも
- 道端で落として溝に消える
- 道路に転がり車に踏みつぶされる
- 暗闇で落として見失う
- 電車待ちのときに線路へ落とす
など、普通に暮らしているだけで遭遇しそうなケースは色々思い当たる。
しかも、上記の「すぐとれる」との負の相乗効果により不安は指数関数的に跳ね上がる。
さらに「価格が高い」ので、失くしたときの経済的、心理的なダメージも相当大きいだろう。マジで怖い。
少しフォローもしておくと、1週間ほど経てば若干不安は薄まってくる。
良かったところ
コードに関するトラブルが皆無
完全ワイヤレスなので、コードがあることによって発生していた問題は全て解消した。
今回買い替えるきっかけになった断線もそうだし、ポケットやカバンの中でぐちゃぐちゃに絡まってしまうこともない。
音楽を聴くときも、コードが服と擦れる雑音がないのが地味に嬉しい。
コードがないというのは思っていた以上に快適なものだった。
充電はほぼ気にしなくてOK
ワイヤレスなので、イヤホン側にもバッテリーが内蔵されている。その都合上、たまに充電してやる必要がある。
買う前はこれがめんどくさそうだなと思っていたが、不要な心配だった。
よくあるイヤホンに直接 USB を突き挿す仕組みではなく、収納ケースを介して充電するようになっているのが、さすが Apple というところ。
「収納 = 充電」なので、普通に日常で使う分にはバッテリー切れで聴けなくなるということがない。1週間に一度くらい収納ケース自体を充電してやれば、それで済んでしまう。
接続もライトニングケーブルなので、iPhone 充電用に使っているものがそのまま使える。
バッテリーマネージメントが面倒になると結局使わなくなってしまうので、ここは本当に評価したいポイント。
iPhone とのペアリングが爆速
Apple 純正なので、Bluetooth のペアリングがめちゃくちゃ快適。
ケースから取り出すだけで自動的にペアリングされるので、ペアリング設定を意識するのは初期設定時くらい。
以前使っていた他社のワイヤレスイヤホンは毎回手動で接続する必要があったからクソ面倒だった。
充電 & Bluetooth 接続という、ワイヤレスイヤホン特有の面倒くささを感じさせないような設計になっている。ちょっと感動。
音が途切れにくい
ワイヤレスイヤホンの場合、iPhone などプレイヤーとの間に自分の体の一部が挟まるだけで音が途切れることがよくある。
この AirPods はそういったトラブルに遭遇した記憶がほぼない。
Apple Watch と一緒にランニング時に使ったときも、一度も音が途切れることがなかった。
1万円以上する製品でも音が途切れることは結構あるので、それを考えると AirPods は優秀だと思う。
その他
音質は可もなく不可もない。カナル型から乗り換えると外の音が聞こえる分、ストレスを感じることがありそう。
あと、携帯性はそれなりにいい。ケースがコンパクトなので、持ち運びに不便を感じたことはない。
まとめ
AirPods を1ヶ月ほど使ってみての感想をまとめてみた。
個人的には職場で音楽を聴きながら仕事する用には便利だけど、それ以外のシーンだと何かしらの不満が残るなー、といったところ。
新型の AirPods では、ワイヤレス充電マット「AirPower」への対応が囁かれているが、そんなことよりどうかカナル型バージョンを発売してほしい。
カナル型になるだけで、
- 遮音性が低い
- すぐ取れてしまう
- なくすんじゃないかと不安になる
このあたりの不満が全て解消されると思うので。
それさえ実現すれば、二万円近い価格に見合う素晴らしいプロダクトになると思っている。